世界のコインご紹介#09「星の子」
素敵なコインを探し続ける皆様、こんばんは。
今日も世界のコインをご紹介いたします。
本日ご紹介するのはこちら
「古代イスラエル 132-135AD バル・コクバの乱 SELA銀貨」
表面：エルサレム神殿（古代イスラエルに存在したユダヤ教礼拝の中心地）
裏面：ルラヴ（ナツメヤシの葉）
LEERWT YRWŠLM（エルサレムの自由の為に）
以前ご紹介した古代イスラエル シェケル銀貨と同じく、
ユダヤ人に絶大な人気（アイデンティティー）を誇る1枚。
つい先日UPした動画でもご紹介しておりますので、ぜひご覧下さい。
紀元66年から始まったユダヤ戦争を「第一次ユダヤ戦争」と呼び、今回ご紹介する銀貨が鋳造された戦争（期限132-136年）を「第二次ユダヤ戦争」と呼びます。
バル・コクバの石像（1905年）
ユダヤ教最高指導者 ラビ・アキバ
バル・コクバの乱・・・
バル・コクバという男は元々シモンという名前で、聖地エルサレムを再開発しようとしていたローマ帝国に対しユダヤの独立を宣言した人物でした。
当時のユダヤ教最高指導者であったアキバが「シモンこそがユダヤ民族を救うメシア（救世主）である」と認め、シモンに「バル・コクバ（星の子）」という名を授けました。
これは旧約聖書の一部分「ヤコブ（すなわちキリスト）から1つの星が出る」という句からきたものです。
これに対し当時の指導者が支持を表明した事によりユダヤ人の期待（救世主待望論）が高まり、異民族から解放してくれる英雄であると言われました。
メシアとして認められたバル・コクバはローマの支配下に置かれていた都市を次々と奪還し、エルサレム統治の象徴とする貨幣【SELA銀貨】を発行しました。
しかしながらローマ帝国の強大な力には勝てず、最終的にエルサレムは陥落、バル・コクバは戦死しアキバは処刑されました。
そして当初の予定通りエルサレムはローマ帝国風の都市として再開発され、ユダヤ人はなんと西暦400年頃までエルサレムへの立ち入りを禁止されました。
市場価値と鑑定枚数は下記の通りです。
＊鑑定枚数表＊
2024.6 スイス＠CHF60,036/10,303,126円（未鑑定）
2015.1 アメリカ＠USD90,000/13,648,815円（未鑑定）
鑑定枚数表をご覧いただくと分かりますが、数が少ない為1年に3~4枚程度しか出現しません。
こちらもシェケル銀貨と同じく自分達のアイデンティティーを取り返そうというユダヤ人によって市場に出現する度に買い戻されています。
残念ながら現在当社にてご案内できる個体はございません。
もし市場で見かけたら必ず手にしたい1枚ですね！
来週も世界中のコインから素敵な1枚をご紹介いたします。
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